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合唱団を組織した頃の話

昨日の記事 合唱の音とりのしかた を書いて、昔のことを思い出しました。中学卒業~高校1年の頃、知り合いを集めて合唱団を組織したのですが、その時の話です。

アカペラの曲をやるのに、音とりは各自で事前にやっておくことにしていましたが、そのために440Hzの音叉を1本ずつ渡して、音程練習はこれだけでやること、と言う無茶な要求をしていました。

問題は練習の進め方のみならず、当初から見込みのありそうな知り合いを片っ端から当たっては「明確に断らなかった」人を強制的に入れると言う詐欺まがいの勧誘をしていましたし、意見・要望が出されないことを良いことにやりたい放題我儘を通していました。

私は常日頃より自分を基準に物事を考える悪い癖があり、今でこそ多少まともにはなったようですが、当時は強烈でした。自分にできることは他人に要求して当然と考えていましたし、自分が楽しいことは他人も同じかそれに気づいていないだけと思い、とにかく何でも強制していました。

当然上手く行くはずもなく、作った団体は半年くらいで解散したと記憶していますが、今思い返すと苦い思い出と同時に色々な教訓があって勉強にはなったと思います。

人に依ってバックグラウンドやスキル、取り組むスタンスややる気、方向性が異なるのですが、音楽に限らず2人以上が共同して何かに取り組む際にはこれをいかにまとめて方向づけて行けるかということが重要です。長期間取り組む際には尚更、この点を気を付けなければ上手く行かないと思います。

合唱の音とりのしかた

今回は、合唱練習でパートごとの音とりの方法について考えてみたいと思います。練習で音とりというのは普通音程確認作業のことですが、よく音とりと呼ばれるのでここでもそう呼ぶことにします。

一般に合唱の練習ではパートごとに音とりをすると思いますが、実際には本番でも全員音程が完全にとれているというのはなかなか聴きません。ハーモニーがきれいに聞こえないのは音程だけではなく発声など他の問題もあるのですが、多くの場合音程のずれを改善するだけで聞こえは良くなるので、これはしっかりやっておくべきだと思います。

基本的な考え方は、パートの音をとる→和音を作る練習をする→それでも怪しいところは残るので再びパートの音を確認する

という作業の繰り返しです。

パートの音を出すのは楽器でもMIDI等打ち込み音源でも何でも良いのですが、ここでは分かりやすくピアノということにしておきます。突っ込んだ話をすると、ものによって音色などが異なり、音のとりやすさ、和音のわかりやすさに差が出ますし、音程の取り方は純正律と平均律の話があるのですが、ここでは細かいことはあまり気にしないことにします。

 

1、全曲通しでパートごとの音をとる

当然といえば当然ですが、一般にはここから始めるでしょう。まずはそのパートの音を歌えるようになることが先決です。基準となる音を出しながら1パートのみ歌いますが、ピアノ等で単音(もしくはオクターブ)でとるのが普通です。パートの中で音程が分かれて和音ができている場合は、分けて練習します。

ある程度進んだら、曲の中で音程の取りにくい部分のみを取り出して繰り返すと効率が上がります。これにはパートごとの練習を管理する人がいると良いと思います。

 

2、伴奏のみで、1パート歌う

1がある程度進んだら、パートの音を出さずに伴奏のみ(アカペラなら無伴奏)で歌えるかどうかやってみます。もしここで崩壊したり、怪しい部分があれば1に戻ります。

 

3、別の1パートのみを弾いて、それに合わせて1パート歌う

重要なのは、和音を作る練習を意識することです。曲にも依りますが、例えばアルトならソプラノと同じ音型が多いのでソプラノパートのみを弾いて、それに合わせて歌います。これは同じ音型の音を聞きながら、それに合わせて和音を作る良い練習になります。

進んだら、アルトとソプラノを合わせて歌ってみます。

 

4、別のパートを全て弾いて、それに合わせて1パート歌う

他のパート全部聞きながら、合わせて歌う練習です。録音や打ち込みを使った練習であれば、歌うパートのみを除いてそこを歌います。怪しければ1に戻るか、パートの音も戻して確認をします。

 

音とりは、本当は一人ずつ行うと合っているかずれているかが判り易くて良いです。ですから、パートごとの音源の入った録音や音源を用意して個人練習を行うことが非常に効果的です。この時に、そのパートの音だけでなく、他のパートの録音、全てのパートが入った録音、伴奏のみの録音と用意すると上の練習ができるのでおすすめです。