KG97531 のすべての投稿

合唱の音とりのしかた

今回は、合唱練習でパートごとの音とりの方法について考えてみたいと思います。練習で音とりというのは普通音程確認作業のことですが、よく音とりと呼ばれるのでここでもそう呼ぶことにします。

一般に合唱の練習ではパートごとに音とりをすると思いますが、実際には本番でも全員音程が完全にとれているというのはなかなか聴きません。ハーモニーがきれいに聞こえないのは音程だけではなく発声など他の問題もあるのですが、多くの場合音程のずれを改善するだけで聞こえは良くなるので、これはしっかりやっておくべきだと思います。

基本的な考え方は、パートの音をとる→和音を作る練習をする→それでも怪しいところは残るので再びパートの音を確認する

という作業の繰り返しです。

パートの音を出すのは楽器でもMIDI等打ち込み音源でも何でも良いのですが、ここでは分かりやすくピアノということにしておきます。突っ込んだ話をすると、ものによって音色などが異なり、音のとりやすさ、和音のわかりやすさに差が出ますし、音程の取り方は純正律と平均律の話があるのですが、ここでは細かいことはあまり気にしないことにします。

 

1、全曲通しでパートごとの音をとる

当然といえば当然ですが、一般にはここから始めるでしょう。まずはそのパートの音を歌えるようになることが先決です。基準となる音を出しながら1パートのみ歌いますが、ピアノ等で単音(もしくはオクターブ)でとるのが普通です。パートの中で音程が分かれて和音ができている場合は、分けて練習します。

ある程度進んだら、曲の中で音程の取りにくい部分のみを取り出して繰り返すと効率が上がります。これにはパートごとの練習を管理する人がいると良いと思います。

 

2、伴奏のみで、1パート歌う

1がある程度進んだら、パートの音を出さずに伴奏のみ(アカペラなら無伴奏)で歌えるかどうかやってみます。もしここで崩壊したり、怪しい部分があれば1に戻ります。

 

3、別の1パートのみを弾いて、それに合わせて1パート歌う

重要なのは、和音を作る練習を意識することです。曲にも依りますが、例えばアルトならソプラノと同じ音型が多いのでソプラノパートのみを弾いて、それに合わせて歌います。これは同じ音型の音を聞きながら、それに合わせて和音を作る良い練習になります。

進んだら、アルトとソプラノを合わせて歌ってみます。

 

4、別のパートを全て弾いて、それに合わせて1パート歌う

他のパート全部聞きながら、合わせて歌う練習です。録音や打ち込みを使った練習であれば、歌うパートのみを除いてそこを歌います。怪しければ1に戻るか、パートの音も戻して確認をします。

 

音とりは、本当は一人ずつ行うと合っているかずれているかが判り易くて良いです。ですから、パートごとの音源の入った録音や音源を用意して個人練習を行うことが非常に効果的です。この時に、そのパートの音だけでなく、他のパートの録音、全てのパートが入った録音、伴奏のみの録音と用意すると上の練習ができるのでおすすめです。

長期間歌わないとどうなるか

ピアノに比べて取り組んでいた期間・時間は長くないものの、中学~高校時代はずっと合唱をやっていました。従ってブランクは約13年になります。

簡単に比較できる要素として、音域がかなり狭くなっていました。発声の問題は置いておくことにしても、以前はLow C ~ Hi F くらい出ていたと記憶していますが、この間出してみたらLow G ~ Mid2 H でした。高声域が出なくなるという話はよく聞きますが、低い方もかなり狭まっています。これ以上は音すら全然出ないのです。

他にも予想していた通り、発声の問題が多くあり、

・声量が無いように感じる(感覚の記憶ですが、多分その通りでしょう)

・ロングトーンが短い。息が続かない

・すぐに喉がひりひりする

今後、この状態からどう変化するのか、以前の状態に戻るとしたらどのくらいで戻るのか、興味深いところです。

他にも比較的真面目に取り組んでいた楽器にヴァイオリンなどもありますが、これは15年以上弾いておらず、まだ触っていませんので、現状どうなっているのかとても怖いです。

ピアノを長期間弾かないとどうなるか

一般に何かを長く継続して行った場合、何かしらの能力(スキル)が向上する等の変化があるものです。更に、その後ずっと何もしないでいると、獲得したスキルが低下したりとまた変化がありますが、その変化の仕方はものによって差があります。この変化はスキルの種類や練習の仕方、期間によって、個人差もあると思うのですが、実際どのように変わるのか非常に興味深いところです。今回は私自身のピアノについて考えてみたいと思います。

私がピアノを全く弾いていなかった期間は約7年でしたが、最後の1年は殆ど練習をしなくなっていたので、実質約8年のブランクと言っても良いかも知れません。そして最近になって練習を再開し、以下のようなことを感じました。

実際指は動かなくなるが…

よく、「ピアノは弾かないと指が動かなくなる」「速いパッセージが弾けなくなる」ということを耳にします。私の場合も確かにそれはあります。ただ、速い動きがというよりも、速い遅い関係なく「思うように動かない」、「コントロールが効かない」と言った方が近いと思います。しかし、このことよりももっとショックだったことが幾つかあります。

音が聞こえない

同時に鳴っている音がたくさんある時に、一つ一つの音に意識が向けられなくなって、全体を曖昧な感じで聞いているようです。バッハの平均律クラヴィーアのフーガなどを弾いても、声部ごとに全く追えなくなっています。

流れのイメージが無く、曲全体の把握ができなくなっている

演奏する際は、それまで出した音を認識し、それに繋げる形で次の音を出して行きますが、何だか、それができなくなっているように感じます。その結果、フレーズがまとまらなかったりテンポが安定していなかったりということになるのだと思います。これは演奏した時には意識できず、録音して初めて気付いたので、大きな問題だと思います。(演奏中に意識できているなら、比較的早く改善される可能性がある)

音量、音色、表現の幅が狭まっている

色々意識して変化をつけようとしても、平坦な感じの演奏になっているように感じます。これは演奏しながら気になっているということは意識はできており身体技術上の問題ということなので、練習して行けば比較的早期にある程度改善されるかとは思います。

上の影響であったりもしますが、他にも色々と気になりました。

・ミスタッチがかなり多くなっている

・すぐ疲れる(以前は5、6時間弾き続けても割と平気だったように記憶していますが、今は20~30分で耐えられなくなってしまいます。年をとったせいもある?)

・安定しない(同じ曲を繰り返し弾いても、毎回全然違う)

ちょっと悲観的な内容になってしまいましたが、これを上達に繋げるようにしたいと思います。

練習ができない時にはどうするか

私はピアノ等の楽器を主に演奏し、最近は歌もやっていますが、現在練習ができない状況です。

楽器はやりたいけど、毎日帰りも遅いしなかなか練習ができない…とか、集合住宅で大きな音が出せないし、練習場所を借りることもできない…という悩みをお持ちの方はかなり多いのではないかと思っています。勿論音楽をやりたいのであれば、やりたいことを生活の中心にして、そのための環境を自分で作れれば理想なのですが、人それぞれ境遇がありますから、まずはその時々で何ができるかを考えるのが良いかなと思います。

私も今出張でスリランカにいて、ボロいホテル暮らしをしており、楽器はありませんし大きな音も出せません。このような時にはどうしたら良いのでしょう。

まず、歌であれば小声でのロングトーンや、エッジヴォイスなどの練習はできます。また、何かしら基準となる音を用意して、音程をチェックする練習も可能です。音源を用意しても良いですし、今はPCや携帯のアプリケーションで打ち込んだ音を出してくれるものも色々あるのでそういうものを使っても良いでしょう。ピアノは無いと弾けませんが、バッハの平均律クラヴィーアのフーガをパートごとに書き下した楽譜を書く作業をやったりもしています。この手の楽譜は自分で作らなくても存在しますが、自分で五線譜に起こすと何かしら理解が深まるような気もします。少しでも鈍った指を復活させようと、卓上でのエクササイズも始めました。今はありませんが、フィンガーボードを使って指の体操をするというのも効果があるかも知れません。次回の長期出張の際には準備したいと思います。

ご挨拶を兼ねて~このブログの目的

~はじめに~

このブログは、私が音楽活動を再開するに当たって書き始めようとするものです。活動と言っても、別にプロだったわけでも華々しい業績があったわけでも何でもありませんが、実力・内容はさし置いても小学生の頃から大学時代まで、音楽に何かしら関係のある事柄に対し生活の中の多大な時間と情熱を注いでいました。いつしか忙しさにかまけ、疎遠になっていましたが…今回ふとしたきっかけから、また色々はじめて行きたいと思います。

ブログを書くのは自分の音楽に対する考えを整理し、またモチベーションを保つためではありますが、同時に似たような事に取り組まれる方の参考にもなり、音楽を通じて私一人ではなく多くの方との活動の幅が広がるきっかけになればと思っています。

これから色々と勉強していきたいと思っているので、意見や反論は大いに歓迎です。むしろ是非ともお願いします。自分の知識や経験が未熟であることは理解しているつもりですし、その上で敢えて考えを述べているので、都度議論を重ね必要に応じて修正を加えて行きたいと思います。