日本では子供にピアノを習わせる家庭が多く、習い事の筆頭のようなイメージがあります。他の楽器を習う人も多いですが、それでもやはり、ピアノのシェアには圧倒的なものがあると思っています。
私はこの「習い事として音楽をやらせるならピアノで決まり」のような現状に対して少し違和感があります。
ピアノを習う人は、幼稚園~小学校低学年くらいから初めて中学生くらいでやめる、というパターンが多いのではないかと思われますが、
その場合習い事としてのメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
習い事を選ぶ際にまず明確にすべき点は、何のためにやるのかという目的だと思います。
一般には子供(とその親)の幸せを願ってということに集約されるのではないかと思いますが、具体的には
・特定のスキルを身につける
楽器を弾けるということ自体スキルになりますが、その過程で音楽への理解、楽譜が読める、
また副次的に忍耐力や身体の使い方、
・楽しみ
楽器を自由に演奏できれば、人生の楽しみの幅が広がります。
・見栄
実際、楽器を習えるという環境は非常に恵まれたものだと思いますが、上手い人はいくらでもいるので差別化は難しいかも知れません。
他の子も習っているからという理由も似たようなものでしょうか。
さて、ここでピアノであるメリットは何かということですが、
比較対象が明確な方が考え易いので、「ヴァイオリン」「ギター」「歌」「木管楽器(小)」としてみます。
勿論他の楽器でも構いませんが、とりあえず。
・勉強が進めば、音楽的スキルは非常に高度
例えば譜読み能力、多くの音から構成される音楽への理解などは段違いです。
但し、それは勉強が進めばという条件付きで、ここが難しいところです。
・習っている人が多く、先生も見つけやすい
昔からピアノ人口は多い状態が続いているので、
実際みんな習っているということで、入りやすいイメージもあるのでしょう。
ピアノはよく耳にするので馴染みも強いと思いますし。
・曲が多い
ピアノはとにかく独奏で弾ける曲が多いので、素材には困りません。
・伴奏に有利
ある程度弾ければ伴奏が必要な際に活躍できます。
逆にデメリットですが、
・大きい
場所を取ります。狭い部屋で置いておくには負担が大きいのではないかと思います。
・高い
良い楽器は何でも高いですが、ピアノは安くても数十万します。小さい管楽器なら数万以下で買えるものも多数あります。
・うるさい
集合住宅では、周囲への騒音が気になるところでしょう。
実際ピアノの音が問題になるということは多いようです。
木管楽器の音も単音ではピアノより大きい場合もあるようですが、ピアノは和音を出すことと、振動が伝わりやすいことで近隣に響きやすいということがありそうです。
・難しい
よく耳にする、憧れの曲を弾けるようになるまでは長い期間を要します。
小学校の6年間習うだけで、本当に楽しいと感じられるようにまでなる人がどれだけいるのかが気になるところです。
一覧表にするとこんな感じでしょうか。
各評価の妥当性は検証が必要ですし、細かい条件を付けないと正確な話はできませんが、
私はこんな感じでイメージしているということで参考にして頂ければ。
乱暴過ぎることは理解しています。意見を頂ければ盛り込んで表を改良して行きたいと思います。
技能として うるさくない 携帯性 初歩が容易 価格(入門用)
ピアノ◎ × × × ×
ヴァイオリン ○ ○ △ × △
ギター ○ ○ △ ○ ○
木管楽器 △ △ ○ ○ ○
金管楽器 △ ×× △ ○ ○
歌 △ △ ◎ ◎ ◎
注)木管楽器は、フルート・クラリネット・オーボエ・リコーダーを想定。例えばテナーサックスなどは音量が大きいので注意。
金管楽器はトランペット、トロンボーンを想定。
初歩というのは、その楽器のためにかかれた曲を選んで楽しめるレベル。