ひとり合唱の良いところ

ひとりで多重録音をして合唱する意義ってなんだろうと考えています。

勿論各パートを歌って行って、最後に形になるというプロセスはそれだけでも面白いし、完成すれば達成感もあるのですが、そういった自己満足以外にもひとり合唱の意味ってあると思っています。

ひとり合唱の大きな違いは、同時に合唱できないことです。歌うときは基本一パートごとで、完成形を計算して作っていかなければなりません。この点通常の合唱、合奏であれば、皆で音を出しながら作り込み、その時々で柔軟な表現が可能です。

ひとりで作る場合、全部自分の声なので、その均質性がメリットになると思います。意識せずとも発声が同じです(安定していれば)。他には、人数が多ければ多いほど、細部まで拘った方向性のコントロールは難しくなって来ると思います。また、ぶっ飛んだ表現や解釈というのもやりにくいでしょう。

そのようなものを比較的容易に可能にするのが一人での制作だと思いますが、逆にそういったことが全然できなければ、別に一人でやらなくても、ということになってしまうかも知れません。