聴音の練習にショパンの前奏曲集を

聴音能力の習得のために で書いた採譜の練習に、ショパンの前奏曲集Op.28を使ってみます。全ての調が出てくるとか、標準的な演奏時間が1分以下の短い曲が多いとか、聴き取りにくい和音はそうそう出てこないとか、等の理由からこのような曲集辺りが手頃なところではないでしょうか。

何度も聴いた事がある曲である上、何曲かは弾いたことがありますが、暗譜しているわけでもないし、不都合があれば飛ばせば良いし、とりあえず試してみることにします。最初の練習として困ることは無いでしょう。

このショパンの前奏曲集は全部で24曲から成りますが、この曲数には必然性があって、全ての長調(12種類)と短調(12種類)が1回ずつ使われるためです。このような場合、曲の並べ方はいくつか考えられますが、ここでは5度ずつ上昇する順番で構成されています。調号の数で考えると解り易いかもしれません。

1番:ハ長調(調合無し) 2番:イ短調(調号無し)

3番:ト長調(#一個) 4番:ホ短調(#1個)

5番:二短調(#二個) 6番:ロ短調(#2個) …

聴く前から何調なのか分かってしまいますね。そこで問題です。15番は何調でしょうか?答えは↓程に。

 

 

 

 

 

 

 

変ニ長調(b5個)です。15は奇数なので、長調だということが判ります。また、(15-1)÷2=7なので、ドから始めて5度上昇を7回繰り返すとド→ソ→レ→ラ→ミ→シ→ファ#→ド#(レb)

となります。#7つとはならず、ここからbに切り替わります。

前奏曲というのは、その名の通り演奏会の最初に軽く弾く小品のような意味合いの曲だったようですが、現在は独立してプログラムの中の曲目として扱われることも多くあります。また、前奏曲集を通しで弾かれることも結構あります。