合唱曲「海はなかった」 解説

気が向いた時には、楽曲の紹介をして行こうと思います。
今回は混声合唱組曲「海の詩」より第1曲「海はなかった」をみてみます。
ちょっと長くなりそうなので、
1、作品概説
2、歌詞と背景の解釈
3、演奏メモ
の3部構成にしようと思います。

まずは1、作品概説です。

混声合唱組曲「海の詩」より第1曲「海はなかった」
作詞:岩間 芳樹 作曲:廣瀬 量平

この曲は元々、昭和50年(1975年)のNHK全国学校音楽コンクール高等学校の部の課題曲として作曲されたものです。
その後、4曲が作られて混声合唱組曲となりました。第2曲~第5曲は後に松平敬氏により編曲され、男声合唱版(2007年初演)、女声合唱版(2010年初演)が出版されています。
組曲として根強い人気があることが伺えます。
混声・男声・女声と出版されている合唱組曲は、意外と多くはないものです。
もっとも人気があっても、曲調が合うかどうかという理由で作られないものもあると思います。女声版「月光とピエロ」とか違う気がしますし。

話が逸れました。
組曲の構成は
第1曲 海はなかった
第2曲 内なる怪魚 シーラカンス
第3曲 海の子守歌
第4曲 海の匂い
第5曲 航海
となっていて、
第2曲「内なる怪魚 シーラカンス」は合唱としては少々特殊な音を使う(楽譜を見れば一目瞭然です)ことと、第3曲「海の子守歌」は歌詞が無くソロが長いということもあって余り耳にしないようですが、他3曲は独立して演奏されることが多く、中学・高校でも頻繁に取り上げられるようです。

「海はなかった」に話を戻します。
曲を通して重苦しく暗い雰囲気が続きますので、暗く美しい曲が嫌いな人には残念ながらおすすめできません。
衝撃的で不気味なピアノの前奏から始まり、一段落した後に女声から合唱が動き始めます。
この合唱の音型はとても素直で美しく、フレーズを歌うことが大切になります。
中間部は男性から歌い始め、海の残酷さを表現します。
その重厚な雰囲気は盛り上がりを見せ、再び最初のテーマに戻り締めくくられます。

おすすめの演奏:

福島県立安積女子高等学校
指揮 渡部康夫

発音の繋がりが自然で、聴いていて心地よいです。

http://www.youtube.com/watch?v=e6ry4A8IKDw

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